安宅和人先生の「シン・二ホン」読後の感想

安宅和人 先様
 

私は、ポリテクセンターにてDX人材育成推進員をしております。

現役時代の同僚で、昨年までIPAにおりましたK氏よりDXの人材育成の勉強のために読むべしと紹介を受け
安宅先生のご著書を拝読させていただきました。
そこで、感想と意見を申し上げたいと存じます。
感想:先生の幅広い知見と柔軟な発想によるご意見には、大いに示唆を受けさまざまな気づきを与えていただきました。心より感謝申し上げます。
意見:二つございます。
  (1)日本の科学技術基盤・研究人材の確保育成の状況が非常にお寒いことに
     なっているというのには、私も門外漢ながら危機感を禁じえません。
     その対策が2兆円でできる。(私の理解では、これは単年度の話で
     10-20年も続けなければならならないと思いますが。)
     これについて、先生は、社会保障費その他の歳出を節約すれば、簡単に
     できるという論調ですが、これはいかがなものでしょうか。そもそも
     他の予算を引き合いに出すのは、次元の異なるものをトレードオフ扱い
     することになりませんか。さらに、無辜の4000万人にも及ぶ年金受給者を
     敵に回すことにもなりか
     ません。
     そこで、日本の科学技術基盤・研究人材の確保育成は、未来に向かっての
     投資でありその受益も未来の日本国民が受けるものですから、特例国債
     支出すればよい、まったく問題ないと考えます。先生のお考えは財務官僚
     が喜びそうなレトリックだと思います。
     私が、赤字国債で対応して問題ないと考える理由は、日本政府は日本通貨
     円建ての国債しか発行しませんので、いつでも償還及び利払いができる
     からです。日本政府にはEU諸国とは異なり通貨発行権限があるから、金融
     主権をもって大胆に経済運営ができるポジションにあります。国民にこの
     認識が欠落しているため、つよい政治主導のデフレ政策も打てないで
     います、残念ながら。
  (2)人為的CO2増加による気候変動についても、先生は、IPCCの主張通り言及
     をされていますが、これは問題があると思います。IPCCの主張は科学的
     根拠が脆弱であるばかりか、温暖化データの改ざんなど犯罪まがいのこと
     をして人類を欺いているのです。CO2の温暖化に及ぼす影響を正確に測定
     できる技術も、妥当な地球環境モデルも確立されていません。ただいま
     地球は小氷河期に向かっているといわれているくらいですから。
 
  以上2点を改めていただければ、本書は日本の未来を創る人材育成の、今のところ
  パーフェクトな教科書になるはずだと存じます。今後とも、ご活躍を祈念して
  おります。